へき地拠点病院ってどんなところ?何をしているの?

離島や山間などへき地と言われる地域にとって、身近で医療が受けられる診療所や巡回診療はとても貴重な存在です。そして、それと同じくらい重要だと考えられているのが、へき地拠点病です。

へき地拠点病院とは、“へき地診療所等への代診医等の派遣、へき地従事者に対する研修、遠隔診療支援等の診療支援事業等が実地な病院”のことを指し、具体的には次のようなことを実施しています。

・ 巡回診療等によるへき地における住民の医療確保に関すること。
・ へき地診療所等への代診医等の派遣(継続的な医師派遣も含む)及び技術指導、援助に関すること。
・ 特例措置許可病院への医師の派遣に関すること。
・ 派遣医師等の確保に関すること。
・ へき地の医療従事者に対する研修及び研究施設の提供に関すること。
・ 遠隔医療等の各種診療支援に関すること。
・ 総合的な診療能力を有し、プライマリ・ケアを実践できる医師の育成に関すること。
・ その他都道府県及び市町村がへき地における医療確保のため実施する事業に対する協力に関すること。

現在、全国には300を超えるへき地拠点病院があります。
しかしながら、指定を受けていながらも医師不足などの理由から、指定要件内の“へき地診療所等への医師派遣や代替医師の派遣、巡回診療”が実施できていない施設も多く、その数は全体の24.7%にまで上ることが明らかになりました。

これを是正するため、厚生労働省は新たに、へき地への医師派遣や代診医派遣、巡回診療の実績を年間で12回を目標として定めることとするほか、来年度からは新たに、指定された病院以外の都市部の医療機関からへき地診療所へ医師を派遣する際に必要な経費補助を予算として組み込んでいます。

その背景には、へき地拠点病院だけでは派遣する医師を確保することが難しく、そのために休診している診療所が多いことや、医師が集中している都市部からの医師派遣を推進したいという考えがあります。

制度を整えて予算をつけたからといってすぐに効果が出るとは限りませんが、いざ使いたいというときに後押ししてくれるよう、官公庁の環境整備にも期待していきたいですね。

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