へき地や離島を遠くから支える遠隔服指導とは?
さらなる高齢化が進むとされている日本では、同時に、少子化および人口の減少が見込まれています。それらに加え、医療は都市部に集中し、離島やへき地を中心とした地方では高度な医療を受けられないばかりか、医師をはじめとした医療従事者の人材も不足しています。場所によっては、診療所や医師の姿さえ見えないといったところもあるでしょう。
患者はいても医療従事者がいなくては治療を行うことはできず、十分な医療を提供することはできません。そのため、これらをカバーすることができるよう政府は様々な取り組みを行っています。そのうちのひとつとして、遠隔服薬指導に対して注目が集まっています。
せっかく医師の診察を受けることができたとしても、必要な薬がなければ治療は継続できません。ですが、今までは様々な背景から対面以外での服薬指導および、薬の受け渡しは行われていませんでした。つまり、医師の診察を受けることはできても、必要な薬をもらうために遠くまで出かけて行く必要があったのです。
へき地や離島など喉痛手段が限られているような地域では、このことは顕著な問題でした。そこで、政府は2016年5月27日に成立、後日6月3日に交付された「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」にて、テレビ電話など映像と音声を用いた遠隔での服薬指導ができるようにしたのです。
改正された法律に沿った遠隔指導をしようとする薬局は、事前に薬局ごとに都道府県知事の登録を受ける必要があります。
また、遠隔服薬指導の利用者氏名や実際になされたやり取りについての映像や音声を保持、記録しておく、6月ごとに実施状況を都道府県知事に報告しなければならないという各種の事務手続きも行わなくてはなりません。
それらの手間を差し引いたとしても、遠隔服薬指導の活用は、薬局へ容易に行くことができない地域の方々に対して必要とする医療を提供する手段になるのではないでしょうか。
<参考>
内閣府地方創生推進事務局
「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」の成立・公布について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/kettei/h280603.html