離島医療を志す医療人の育成に力をいれている鹿児島大学の取り組み

鹿児島県は、全国の中でも多数の離島を有しており、そこで生活する人々もたくさんいらっしゃいます。そのため、他地域と比較しても、離島医療に関する取り組みは進んでいますし、そういった場所で医療に携わる人材を育成することにも力を入れています。

 

その一例として、平成19年に設置された、離島へき地医療人育成センターの存在があります。これは当初、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科に5年の期限付きで設置されたものになりますが、その必要性や意義などが認められたため、体裁を少しずつ変えながら今でも継続しているものです。

 

昨年は、奄美で行なわれた離島医療シンポジウムや、鹿児島市内で行なわれた離島医療談義などが開催されました。そのほか、医学や歯学、薬学を学ぶ学生たちが実際に地域へ出向き、医療も含めたその土地の生活環境などの話を聞く機会や普段はできないような貴重な体験をすることができる、地域医療トレーニングキャンプなども行なわれました。

 

そして、とてもユニークな試みだと感じたのが、奄美群島離島実習です。

今年でもう10回目になるこの実習は、全国の医学生が参加して、実際に離島医療に触れる機会になります。

離島医療に関心がある方は意外と多いものですが、やはり考えているよりも体験してみる方が、医師として働くイメージが鮮明になりますよね。

 

今年の実習地としては大きく、奄美大島、徳之島、そして沖永良部島の3つの場所から選択することができ、さらにお世話になる病院によっても、いくつかのコースに分かれます。

 

どの場所を選ぶかにもよりますが、プライマリケアから在宅ホスピス、そして都市部から離れているからこそ広がっているITを使ったシステムまで体験することができるので、もしかするとイメージしていた離島医療を覆すようなところがみつかるかもしれません。

 

このような取り組みが、徐々に身を結び、離島医療を志す医療従事者が少しでも増えることを期待しています。

 

 

離島へき地医療人育成センター

http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/ecdr/index.html

 

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