県全体で離島の医師不足を補おうとする長崎の取り組み

これまで離島医療情報ネットワークでは何度も取り上げてきた長崎ですが、今回は、実際に島民の医療を確保するために長崎が行っている取り組みについてご紹介していこうと思います。

離島では、医師確保と並んで懸念すべき事柄は、医師不在時の対処です。

一時的な医師の不在や次の医師が決まるまでの間など、離島における医師不在のシーンはそう珍しいことではありません。そのため、医師不在となるような事態を回避させるために働きかけている機関として「ながさき地域医療人材センター」の存在があります。

平成24年に設立されたこの機関は、1年ほど前から業務が長崎大学に委託されており、離島における医師の確保のみならず、後期研修医に向けた専門プログラムの充実や病院見学時の旅費のサポート、総合診療専門医養成のためのプログラム提示なども行われています。

特に、総合診療専門医養成プログラムについては、県内における6つの病院で構築されており、各病院同士の人事交流など連携が活発であるということが特徴のひとつではないでしょうか。

また、冒頭でもお話ししましたが、離島で働く医師は住民と密接な生活が魅力的である反面、休暇の取得や学会参加なども医師にとって必要不可欠なものです。そうはいっても、島民の健康面が脅かされることはあってはなりません。

そのため、ながさき地域医療人材センターには「しますけっと団」という代診医制度があります。事前に登録した医師が、代診を必要とする医療機関へ赴き、診療にあたるというものであり、これによって島の医療面をカバーしているのです。

もちろん、常勤の医師確保についても積極的に活動していて、平成29年度は9月と10月に東京で説明会が開かれる予定となっており、県内外を問わず、積極的に情報を発信しています。

他地域よりも離島が多い長崎県。それをデメリットだと感じる部分も多いかもしれませんが、情報発信や各機関との連携をしながらそれを強みに変えていけるような取り組みがもっと進んで欲しいですね。

 

ながさき地域医療人材支援センター

http://ncmsc.jp

 

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