通信環境がカギを握る〜あたらしい離島での働き方

離島というとみなさん、どのようなイメージをもたれていますか?

自然が豊か、海が近い、釣りができるといった豊かな自然によるプラスの面が真っ先に思い浮かぶことでしょう。観光地としての印象も、強いかもしれないですね。

 

反対に、交通の便に恵まれていない、病院が少ない、人口が減少しているといったマイナス面にも気付くのではないでしょうか。

不便だと感じる中に、通信環境が整っていないという面も思い描いていませんか?実は、必ずしもすべての離島において通信環境が悪いのかといえば、一概にそうとも言えないのです。

 

離島の中には、本土に負けないくらいの通信環境を整えているところもあります。そのような島では、新しい雇用の創出への期待が膨らみますね。

 

近年、働き方は多様化していて、テレワークなどを取り入れる企業も増えてきました。また、これまでとは離れた場所に勤務地を構える、サテライトオフィスも増えつつあります。

 

そのような働き方は、離島でのニーズやメリットと合致しています。

そもそも、サテライトオフィスに求められていることとは何でしょうか?

多くの企業が、首都圏をはじめとした大都市に集中しているため地価は上がり、勤務地と居住地が離れ、通勤時間が長くなりつつあります。ワーク・ライフ・バランスも崩れ、仕事に比重が傾いてしまっている場合も少なくありません。

その点、離島では小さな島内に全てが凝縮されていますので、通勤時間も少なくて済みますし、自然に恵まれた余暇を過ごすことができます。

 

また、震災を経験したことで、機能を分散させたほうが有事の際にも対応できるというメリットを期待する企業も増えてきていることでしょう。

 

島側からすると、企業を誘致することで新たな雇用も生まれますし、税収も確保することができます。町に活気が出てくれば、さらに人を呼び込むことができますね。

 

実際に、離島を多く抱える徳島県では、県内全域にCATV網が敷設されています。そして、高速ブロードバンド環境を強みに「とくしまサテライトオフィス・プロジェクト」と題したプロジェクトを遂行し、積極的に企業を誘致しています。さらに、誘致した企業に対しては、雇用創出や空き家の使用等への助成制度も整えているので、数多くの企業がサテライトオフィスを構えるようになってきています。

 

 

サテライトを利用した取り組みは、企業だけにとどまりません。

一般向けに行われている公開講座も、離島という環境の中ではなかなか受講することが難しい側面があります。

 

そのため、琉球大学では宮古島や石垣島などに大学のサテライトキャンパスを設置し、公開授業や公開講座を配信する取り組みを行っています。

 

 

通信環境を整えるといっても、それをするためにはコストも労力もかかります。

しかし、離島のデメリットをメリットに変えることで大きな力が得られるということは、わたしたちも学ぶべき点が多いのではないでしょうか。

 

 

<参考>

Tokushima Working styles

琉球大学 公開授業・公開講座情報

 

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