「うさぎの楽園」と言われる離島、大久野島の魅力と医療情報
近年、瀬戸内海で、「うさぎの楽園」として人気を集める離島があります。
広島県に属する『大久野島』です。
周囲4.3kmの小さな島で、現在700羽ものうさぎが生息しています。
とってもかわいいうさぎたちが間近で見れるので、観光に訪れた子どもたちは大喜びだそうです。
ウミホタルの発光観察会や、ウサギと触れ合える朝のお散歩など、観光客が楽しめるプログラムも多数用意されています。
宿泊施設は『休暇村 大久野島』のみになります。
なぜこれだけのうさぎが住むようになったのか?いくつかの説がありますが、休暇村のHPによると、1971年に地元の小学校で飼われていた8匹のうさぎがはなたれて、今日にいたったという説が有力といわれています。
実はこちらの島はかつて、日本陸軍の毒ガス工場が建設され、第二次世界大戦末期まで毒ガスが製造されていました。毒ガス兵器という国際的に禁止された兵器をつくっていたので、戦争中はこの島は地図からも消されており、「地図から消された島」とも言われていました。戦後、GHQにより施設は解体されて、毒ガスは海洋投棄や焼却などで処理されたそうです。
戦後に島全体が国民休暇村に指定され、1934年に瀬戸内海国立公園となりました。
現在、島内には『毒ガス資料館』があり、毒ガスを生産していた頃の道具類や記録資料などが展示されています。
戦争の歴史を風化させないために、こういった資料館があることは大切ですね。
今や年間10万人もの観光客が訪れるこちらの大久野島ですが、人口は約20人で、全員が休暇村の従業員だそうです。
休暇村のスタッフの方に医療体制についてお話を伺ったところ、島には病院はなく、怪我人や病人が出た場合は以下のように対応されるそうです。
・けが人の場合・・・フロントで消毒等の処置後、病院に行くかどうかを尋ね、行く場合は病院の手配。
・病人の場合・・・病院の手配。
・救急の場合・・・119番。救急のヘリが必要かどうかは消防の判断となる。
救急車の場合は忠海港で待機して必要に応じて消防隊員が島に渡って来る。
数少ないスタッフでたくさんの観光客を迎えねばならず、医療機関もないので、島に観光に訪れるなら怪我や病気にならないよう、細心の注意を払いたいものです。
島で安全に過ごすために、「うさぎからのみんなへお願い」として、注意事項が書かれているので、観光に行く際はぜひ目を通しておきたいですね。
私も小さい子どもがいるので、いつか訪れてみたいと思います。
※休暇村 大久野島 HP http://www.qkamura.or.jp/ohkuno/
※うさぎからみんなへお願い http://www.qkamura.or.jp/ohkuno/free3/
(ライター・黄本恵子)