離島における獣医の必要性

みなさんは、動物を飼っていますか?
ペットとして飼っている方も、また、生業として家畜を育てている方もいることでしょう。

いずれにしろ、家族同様に大切な存在であり、ケガや病気になってしまった時には、適切な診察を受けて早くよくなって欲しいと思いますよね。そういったとき、お世話になるのが獣医師、動物のお医者さんです。

昨今、医師不足や遍在化も叫ばれているところですが、獣医師についても大きな課題のひとつとなっています。

●長崎県の取り組み

離島を多く抱える長崎県では、獣医師の勤務先として敬遠されがちだという傾向がありました。そのため、何とかして獣医師を確保しようと、様々な取り組みがなされています。

そのうちのひとつが、獣医学専攻の大学生に対する修学資金の貸与です。

これは、年間120万円を大学区在学中に渡って貸与するというもので、自治大学の制度と同じように、ある一定の期間を、指定されたところで勤務することによって返還が免除される仕組みです。

また、インターンシップも積極的に行い、長崎県の魅力や良さを感じてもらうよう働きかけています。

●無獣医地区だった隠岐島

島根県に属する隠岐島は、これまでペットを診療する獣医師がいない地域でした。そのため、飼っている動物がケガや病気になった時、時間とお金をかけて本土へ渡る、または、本土から診察に来てもらう必要があるなど、決して恵まれているとは言えない環境となっていました。

そのような状況を何とかしようと、島根県獣医師会が設立したのが隠岐の島動物病院です。何かあったらどうしようという不安を少しでも払拭し、さらに、健康な生活ができるよう定期的な診療を整えることが大きな目的となっています。こちらの動物病院に勤務する獣医師は、常駐しているわけではありません。本来の勤務の傍、週末を使って本土から交代で来ているのです。

動物病院が設立されたおかげで解決できた部分がある一方、やはり入院や大きな手術が必要な場合には、本土へ渡らなくてはならないという実情もあり、課題はまだ残されているところです。

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