はじまりは、産婦人科医の竹内正人先生がFacebookで書かれた「羅臼町の羅臼診療所の院長が退職する」と言うコメントからでした。
離島医療情報ネットワークを運営している自分としては、見逃せない情報でした。
離島やへき地における医師の退職は、直接的に住民の健康に大きく影響してきます。よって、できるだけ早く医師を確保できるといいなと思い、離島医療情報ネットワークにその記事を書こうと考えました。
そこで、竹内先生を通じて羅臼町の鈴木副町長に電話で取材をさせていただいたのです。医療のことを話している時は極めて真面目でシリアスな感じだった副町長が、羅臼町の観光や魅力について話し始めると急に生き生きとしてきて、次から次へと羅臼町への想いや愛が伝わってくるトークへと変わりました。
「そんなに素敵な場所なら行くしかない!」ということで、知床半島の羅臼町まで行くことになりました。せっかく訪れるのであれば、離島医療情報ネットワーク内に、医療とは関係のない羅臼町での旅日記を書いてみようと思いました。
羅臼と言うと、私の中では「昆布」「ホッケ」「ヒグマ」の3つのキーワードが浮かびます。しかしながら、実際に行ってみないとどんなところか分かりませんよね。ということで、7月の最も気候の良い時期に行ってまいりました。
東京から羅臼町へは、羽田空港から中標津空港へ飛行機で向かうことになります。1日に1便しかないので、それに乗れない場合は千歳経由で中標津空港に向かわなくてはなりません。
中標津空港は、北海道の最も左側に位置する空港で、北海道標津郡中標津町にあります。羽田空港からは約1時間45分、新千歳空港からは1時間かかりません。
空港周辺には、マリモで有名な阿寒湖や抜群の透明度を誇る摩周湖、そしてクッシーが出没すると言われている屈斜路湖へアクセスすることができます。
もちろん、世界遺産で有名な知床や羅臼へも行きやすく、バスも運行していますが、レンタカーを借りれば2時間弱で訪れることができます。
今回は竹内先生のご紹介もあり、羅臼町からわざわざ鈴木副市長と太田課長の2名が車で出迎えていただきました。空港から羅臼町に向かう途中、羅臼診療所と連携をしている町立中標津病院、厚仁会の脳神経外科クリニックを見てから、羅臼へ向かいました。
町立中標津病院は、管内の中核病院として常勤医の他、循環器内科や整形外科、小児科といった専門の先生が来て診療にあたっています。
こちらの病院では、医師をはじめとしたスタッフの募集に加えて、中標津町医療技術職員養成修学資金貸付制度も整えています。一定の制約はありますが、看護師や薬剤師を目指していて町立中標津病院での勤務を希望する方にとっては、修学を後押ししてくれる制度ではないでしょうか。
町立中標津病院
https://www.nakashibetsu.jp/nakashibetsu_byouin/
羅臼へ向かう途中、望郷の森に立ち寄り、しばしその風景に見とれておりました。ちょうどその頃、東京では猛暑に見舞われており日々暑さにうんざりしておりましたが、羅臼では気温22度で、空気も良く、それだけで来て良かったなと思いました。
北海道の北東にある北方領土は、切っても切れない関係です。かつての戦争によって、家族が離れ離れになった人たちも多く、再び会うことができないまま一生を終えてしまったというケースも少なくありません。
望郷の森には羅臼国後展望塔があり、ここからは北方領土の一つである国後島と羅臼市街を一望することができますので、思い入れもひとしおです。昼間も絶景ですが、冬には流氷を望むことができるなど素晴らしい景色を堪能することができるスポットになっています。
望郷の森(望郷台)
http://www.rausu-town.jp/kankou/scenery/scenery.php
その後、知床らうす国民健康保険診療所と役場に向かいました。こちらは、診療所と町長インタビューの記事の方でご紹介しております。
「実際に羅臼町(北海道知床半島)に行ってみました!」
https://remote-health.net/rausu.html
それからホテルに向かいました。今回宿泊したホテルは羅臼の街の中心部に位置するホテル栄屋です。
診療所、羅臼港や道の駅からも近く便利なホテルです。ホテルの前にはコンビニエンスストアもありますので、様々な面で使いやすいホテルだと思います。
創業50年と老舗のホテルですが建物は新築されて新しく、地元の食材を使ったお料理がいただくことができるようです。
ホテル栄屋
その日は、ホテルにチェックインした後、取材を兼ねての会食でした。伺ったお店は、いさみ寿司さんです。さすが漁業の街だけあって、キラキラと輝いているお刺身とお寿司を堪能させていただきました。
いさみ寿司