ナースインタビュー

離島で働くナースはどのような生活をされているのか?

今回は、実際に鹿児島の離島で働くナース@メルモさんにインタビューさせていただきました。

東京都内の病院に勤めていた彼女が、離島で働くことになったきっかけや、そこで抱いた思いなどを色々と教えてくれました。

離島でナースをすることになったきっかけについて教えてください。

都内の病院でずっと勤めていたのですが、そこに離島から患者さんが来院されたことで、初めて島の方と接する機会がありました。

その時に、島の医療は十分ではないので定期的に都内の病院へ通っているというお話や、海も綺麗で自然もたくさんあるということを聞きました。どういった方が離島で看護師をしているのだろう、と新人ながら興味を抱いたことを覚えています。

そして、看護師をして3年目になった時に再び離島の方と接する機会があって興味はさらに大きくなり、色々と自分でも調べるようになりましたね。

離島では、看護師も医師も少ないので卒後4年目で行ったとしても即戦力にはなれないだろうと思い、平行線で救急医療にも興味がありましたので、まずは自分の実力をつけてから行きたいというビジョンを描くようになりました。

比較的、早い段階から離島に興味があったのですね。

看護師として幅をきかせたいという思いがありました。同じところにとどまることで出来ることが限られるよりも、看護師として色々な役割に挑戦してみたいという気持ちがありますね。

私はまだ10年目くらいですが、ずっと一つの病院で働いている方も多いですね。
働き方のスタイルとして、同じところで働き続けることができないことに一時期は、とても悩みました。形としては、転々としているように見えますしね。

でも、自分の好奇心や、せっかく看護師になったのだからという気持ちの方が勝ってしまって結局、やりたいように行動しています。

いま働いていらっしゃる島を選んだ理由についてお聞かせください。

正直言うと、離島を経験できればどこでも良かったというところがあります。まずは、飛び込んでみたいという気持ちだったので。

しばらく会えないかもしれないと祖母に相談した時にもらったアドバイスが決め手になり、縁あってこちらの島に来ることになりました。

離島で海も綺麗なので、ウインドサーフィンが好きで来る方もいらっしゃいますね。私はサーフィンできませんし、強いて言えば少し暖かい方がいいかなというくらいでしたが。

実際に離島で働いて、来る前に抱いていたイメージとの違いはありますか?

行く前に病床数などは知っていましたが、もっと小さい規模の病院だと思っていましたね。どちらかというと、診療所が発展したくらいの規模で、しっかりとした鉄骨のイメージではありませんでした。

でも、実際に来てみると割としっかりと病院の形をしているのだと感じました。
レントゲンも看護師が撮影しなければならないのかなと思っていましたが、放射線技師も事務の方もたくさんいらっしゃいました。

離島に来て良かったことを教えてください。

自分には欠けていた、決断力やアセスメント力がつきましたね。
技術面については、これまでの蓄積がありますのでそれほど変わりはないのですが、皆さん、医師が本当にいないので自分たちで何とかしなければいけないという意識がとても強く驚きました。

以前の病院には医師がたくさんいましたので、こまめに相談や報告をしていましたが、こちらではそんなことはできませんので勉強もしなければならないですし、決断力もアセスメント力もつくようになりました。少しずつ、看護師としての度胸がつき、メンタルが強くなったと思います。

島の看護師さんはその辺りも強いので、見習わなくてはと勉強させてもらっています。観察力が優れていますし、看護師から研修医にアプローチすることも多いことに驚きます。

苦労した点はありますか?

やはり、自分たちでやらなければならないという意識が強いことですね。

医師が少ないですし、研修医が来ても1、2か月で戻ってしまうので、私から見ると軽い気持ち来ているという感覚の方もいらっしゃいます。

私としては、治療方針などしっかりと話し合いたいのですが、そういう話ができずに消化しきれないという気持ちもあります。

色々な意味で、想像をはるかに超える出来事もたくさん経験しましたね。

離島における恋愛事情について教えてください。

出会いはすごく多いですね。
島に応援で来て、そのまま島の方と結婚するというケースもたくさんあります。

出会いが欲しい方は、島に来た方がいいと思います。特に、独身で彼氏が欲しいと伝えたなら、数多く紹介してもらえますしすぐに出会えますね。

島の男性も既婚者と独身者が半々、どちらかというと独身者の方が多いかもしれません。結婚歴があるという場合もありますが、出会い自体はとても多いです。

例えば、島にいる看護師が自分の同級生を呼んで開いた飲み会に呼ばれることもありますし、飲み屋で知り合った人と結婚する人もいますね。
結婚したい人は、島の繁華街のカウンターに座れと言われました(笑)

休日はどのように過ごされていますか?

全く何もしない方もいますが、サーフィンやシュノーケル、ドライブなどをされる方が多いのではないでしょうか。場合によっては、隣の島に遊びに行くこともありますね。

お休み自体はしっかりしているので、割と時間はあります。
日勤であれば17時に終わるので、そのまま海に行ったり、サーフィンに行ったり。海が好きな方にはもってこいですね。

私自身の休日の過ごし方にはムラがあり、何もしたくないし誰とも会いたくないということもあります。そういったときは、好きな音楽を聞きながら一人でドライブをすることが多いですね。
また、本を読んだり映画をみたり、日記を書くなどして過ごしています。本当に時間があるので、海に行って今後の自分のビジョンを考えるといったこともあります。

給与面や福利厚生については整っていますか?

島の看護師(常勤)は夜勤をしていたとしても、手取りで20万円ほどでしょうか。みなさん給料を見せ合っていますが、夜勤を数多くこなしてやっと20万円といった感じです。

ボーナスも夏はおそらく20万円くらい、冬も同じくらいのようですね。都会の病院からみると、年収は相当下がっていると思います。

私の場合は応援手当があるので、月に手取り25万~30万円いかないくらいですね。
でも、遊びに行くところがそんなにないですし、都会と比べて出費が少なく、自給自足の部分もあるので生活が苦しいということはないですね。逆に貯金がどんどん貯まっています。

福利厚生もしっかりしているようです。
院内保育もしっかりしています。正規で働いている方は休み希望も通りますし、有給消化率もいいようです。

教育面はいかがでしょうか?

正直、都会と比べると良いとは言えないですね。
都会の病院にいた頃は毎日、実技指導や講習をしていましたし、勉強会もたくさんありました。ここでは、そういったことは殆どなく、最低限のことだけ覚えて現場に出るという感じですね。

そのため、基本的な技術が疎かになっているように感じます。
基本があっての自己流ならいいのですが、教える方もバラバラのことを言っています。そういう部分は改善の余地ありと思っております。

離島医療を経験して、影響は受けましたか?

ありますね。来なければ見えない景色がありますし、人生経験としては記憶に残ります。自然がたくさんありますので心が豊かになれますし、行動しなければ何も変わっていなかったのではないでしょうか。
今後、新しいことを切り開ける予感はしているので、行動あるのみだなと思っています。

今後のビジョンについて教えてください。

未定なのですが、もう少し大きな島や反対に、小さな島へ行ってみたいという気持ちがありますね。一度、都会に戻って色々と考えたいと思います。

最後に、離島へ行きたいと考えているナースにメッセージをお願いします。

悩んでいるなら、今すぐにでも来た方がいいと思います。不安であれば、規模の大きい島だと相談に乗ってくれますし、お世話をしてくれる方もいらっしゃいます。

エアコンが壊れたと言えば修理してくれる、島の人たちから野菜をもらえる、島の料理を食べさせてくれるなど、普段は経験できないことが数多くあります。また、他の地域から来る方たちと知り合いになって色々な話が聞けますし、自分の経験値が上がるので離島の景色は絶対に見たほうがいいと思います。

確かに、実際に来て合わずに帰ったという場合もありますが、島の方たちは都会から来た方を受け入れてくれて、みんな本当に良くしてくれます。

<まとめ>
今回は、実際に離島で働くナースにお話をお伺いする機会に恵まれました。
島の規模にもよるかと思いますが、比較的大きな島であれば受け入れ体制も整っているので初めて離島で働き始めるという方には適していると感じました。

普段、できない経験ができる離島での生活。候補の一つとして、加えてみてはいかがでしょうか。

 

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