ナースインタビュー

離島における看護学校の現状とは?~奄美看護福祉専門学校

今回は、離島における看護専門学校の現状と題して、奄美大島にある奄美看護福祉専門学校の平先生のお話をご紹介します。

奄美看護福祉専門学校は三年課程であり、看護学科は定員が40名、全員合わせると120名ほど在籍しています。

学校を取り巻く環境ですが、周りを海や山に囲まれているばかりか、他校に類をみない3万平方メートルのゆったりとした敷地の中に校舎が建っています。
 
なぜ、このような離島に看護専門学校が建てられたのでしょうか。

それは、高校卒業後の高等教育機関を設けることで、島内で医療・福祉に従事できる人材を育てたい若者の島外への流出を少しでも防ぎたいという旧名瀬市(現在の奄美市)と医師会からの要請を受けて学校法人 日章学園が建てたという経緯があります。

 

どのような学生が受験するのでしょうか?

受験生の男女比をみると、波はありますが男性は40%前後で推移しており、他校と比べると多い方だと思います。男性が受験しやすいということが、一つの要因ではないでしょうか。

次に、現役生と社会人経験を経て受験した学生の割合ですが、全国的に高校生が少なくなってきているという現状もあり、社会人も多く見受けられます。受験する動機は様々ですが、比較的、看護職は安定した職業だからという理由もあるのではないでしょうか。

現在、実際に入学してきている学生は現役生が増えてきています。一度は島から出てみたいという気持ちはあるけれども、島で免許を取得してから都会に就職したいというパターンが多いですね。

また、社会人入学者については、入学時、学力に差がありますが、やる気がある学生は、確実に成績を伸ばすことができます。

平成24年度からの3年間については、県外からの受験者が多い傾向がありました。これは、主に沖縄県からの受験者になるのですが、当時、沖縄に大学はありましたが専門学校が少なかったことが関係しています。奄美は距離的に近いですし、気候が似ていることも背景にありますね。

しかし近年、沖縄県にも看護学校が増えてきたこともあり、その後は県内からの受験者が増加しています。

また、卒業後の進路も、ここ数年は県内への就職が増えてきています。これは、各種の支援制度や専門実践教育訓練給付金が充実してきたことも理由の一つとして考えられます。

一方で、県外であれば関東方面では神奈川県が最も多く、次いで東京都、関西方面においては大阪、兵庫県と続きます。学生の内訳をみると、現役生は都会志向で、社会人入学生は奄美群島内の病院を志望しています。また、就職せずに助産師学校や保健師学校への進学も増えてきています。

現状で抱えている問題点とは?

奄美群島の人口は、昭和30年代と比較して約半分にまで減っています。
高齢化率については、65歳以上の割合は全国26.6%に比べて、奄美群島では31.3%と非常に高くなっていることが伺えます。

高齢化率の上昇により、看護の需要は増大します。奄美群島の医療は、救急から在宅まで島内で完結できるほどになってきていますので、さらに看護の需要は大きくなってきていますね。

また、看護教育者の平均年齢の高さも問題の一つです。
現在の平均年齢は49.2歳です。キャリアも臨床経験も豊富なので今はいいかもしれませんが、若い世代の教育者が育っていません。離島というハンディもありますので、奄美本島の在住者でなければ難しいというのが現状です。学生の質は教員の質とも言えるので、質の高い教育を目指して教員を育てていく必要があります。
 

今後の課題について

これからの課題として、高校進学時や就職時の県外流出を防ぐ、若い世代のUターン者を増やすということが一つ挙げられます。さらに、より充実した教育プランによって魅力的な学校を目指し、卒業生から教員を育てるということも重要になります。

奄美の医療を支える看護師、そして地域に貢献できる人材の育成を行い、離島であっても教育内容や学生の多様化に対応することが今後の継続にも関わってくるのだと思っています。
 

★関連サイト
奄美看護福祉専門学校
http://www.amakan.ac.jp/
 

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