離島医療

沖永良部島の魅力と島民インタビュー

多くの離島を有する鹿児島市からおよそ550km離れた場所に、沖永良部島は浮かんでいます。島全体は温暖な気候に囲まれていて、豊かな自然が感じられる素晴らしい場所です。

今回は、初めて沖永良部島へ訪れるとともに、島外から移住された方のお話をお伺いすることもできました。

 

●沖永良部島とは?

鹿児島県に属する沖永良部島には、約1万4千人の方々が住んでいらっしゃいます。和泊と知名という二つの町から構成されており、四季折々の熱帯地方の花が咲き誇る所としても知られています。

暖かい奄美群島にはハブが多く見られるものですが、こちらの島には生息していないということも大きな特徴の一つではないでしょうか。

 

島を見渡してみると、たくさんの見所があります。透き通った海が見渡せるビーチやウミガメが見られるスポット。多様な植物や鹿児島県の天然記念物にも指定されている昇竜洞と呼ばれる鍾乳洞など、話題には事欠きません。

 

アクセスにも比較的恵まれており、鹿児島空港からは1日3便、奄美空港と与論空港からも向かうことができますし、フェリーもいくつかの船舶会社から運行されています。

 

●今回は、ご縁があって島外から沖永良部島へ移住された田中さんにインタビューさせていただきました。その内容をご覧ください。

 

<島に来て良かったことについて教えてください>

長いこと関西で仕事をしており、その頃は、本当に朝から晩まで働いていました。こちらでの生活は真逆で、全体的にゆるく生活しています。

 

島内では、あまり嫁姑の問題は聞かないですね。もしかしたら、島育ちの家庭ではあるのかもしれませんが、他所から来た人だと分からなくて当たり前だと感じていらっしゃるようですし、他の島と比べても優しい方が多いと思います。

島外からの嫁(こちらではヤマト嫁と呼ばれます)は、かなり多数派になっているので、肩身の狭い思いをすることはありません。

 

ただ、島生まれ島育ちの方のように、完全に島の人間になることは難しいのかもしれないとは感じています。

 

 

<島に来て困ったことはありますか?>

最初の頃は全くなかったのですが、いまは医療の問題で壁にぶち当たる事が若干ありますね。

子供達が健康に育っていればなんの問題もないのですが、少し手の込んだ診療や治療が必要になってくると、島では手に負えなくなってしまいます。

 

痙攣重積のような症状が出てしまうと、すぐに島外へ飛ばされてしまいますし、喘息持ちで発作が止まらなくなったお子さんなども同様です。周りでは、割と島外での治療を必要とする方が多い印象を受けます。

 

<お子さんがいらっしゃると、医療面はとても気になるところですよね>

現在は、小児科で常駐の先生がおられなくなり、非常勤の先生が交代でいらっしゃっています。いろいろな先生の見立てを聞く事ができるという良さもあるのですが、やはり持病を抱えている場合は一人の先生にずっと経過を診ていただきたいという気持ちはありますね。

 

 

<子育てや教育面についてはどのような印象をお持ちですか?>

全体的にゆるくやっているという印象は受けますね。

私が住んでいる地域には小さな集落の中に小学校あるので、そこの集落の子供達しか通っておらず、ひと学年が多くて10人、少ないと2,3人ほどです。

 

緩やかでとてもいいと思うのですが、我が家の場合は支援学級を希望しているのでなかなか難しいところです。というのも、いまは支援学級がありませんので、作ってもらえるように働きかけるところから始めなくてはなりません。ただ、それも実現するかどうかわかりませんので、そういった教育機関の不平等みたいなところはあるのかもしれませんね。

 

お子さんの就学や進学のタイミングで、内地出身の奥さんのツテをたどって、家族丸ごと島を出ていかれるケースも多いですね。

もともと、島で生まれた方も進学や就職で一度は島外へ出られる方がほとんどですし、沖縄と同じく、島に残った人数よりも外で暮らす2世、3世のほうが多い土地柄です。そのため、意外とライトな感覚で出ていかれるご家族が多いように見受けられます。

 

それでも、医療面や教育面が充実していれば、残りたい方がほとんどでしょうけれども。

 

 

<経済面については、どうでしょうか?>

物流の関係で物価も高く、例えば、都市部では30円で買えたもやしがこちらでは100円になっていたりします。

 

親元に住んでいたり、子供が小さいうちはいいかもしれませんが、ある程度の年齢になって将来を見越してくると島外に出て行かれる方もいらっしゃいますね。生活は、おそらく内地の方が楽だと思います。

特に、就学を望めばそれだけ仕送りも必要ですしね。

 

 

<総合的に見ると、島での生活はいかがですか?>

私は住めば都になってしまっているので、もう都会の暮らしは厳しいなという感覚があります。

ただ、子供が重度の食物アレルギーを持っていますので、状況がもっと深刻化してきたなら出て行くという話もあるかもしれないですね。

 

いまは爪の先ほどでも卵を食べると本当にアナフィラキシーをおこしてしまいますので、大きな病院がないという不安は常につきまとっています。私自身、本当は働きたいのですが、万が一のことがあってはならないということで、いまは自宅で私が見ていますけれども。

 

 

今回は、沖永良部島へ訪れ、実際に島外から来て子育てされている方のお話を伺うことができました。

特に、離島が抱えている医療や教育面についてざっくばらんにお話いただけたことは非常に勉強になりましたし、今後の取り組みにも生かすことができればと思っています。

 

田中さん、貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 

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