平成26年に厚生労働省が行った無医地区等調査及び無歯科医地区等調査の結果では、無医地区は全国で637地区ということが示されました。
調査が始まった昭和の後半から比べると、日本の人口自体が減っており、それに比例して減少している形にはなっているのですが、一部、以前より無医地区が増加している地域も見受けられます。
無医地区が増えている地区を具体的に紹介すると、岩手県、宮城県、栃木県、富山県、愛知県、和歌山県、島根県、広島県であり、この中でも特に増加率が高いのが和歌山県という結果が得られています。
そもそも、無医地区とはどのような場所を表しているのでしょうか。
過去の記事でも紹介しましたが、無医地区とは「医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、おおむね半径4kmの区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区」のことになります。
元来、医療機関の集まる中心的な場所よりも離れている地域というのは、山間の地区であったり、人が訪れにくい場所が多いので、放っておけばますます医療とは遠い生活を送ることになってしまいます。
これらを克服するために、各地域でいろいろな取り組みがなされています。
例えば、栃木県ではこのような地域に診療所を設けているほか、巡回診療にも力を入れています。
また、広島県では特に交通機関に乏しい山間部などを中心に、心電図や超音波診断装置などを積み込んだ広島県北部地域移動診療車を、定期的に運行させています。
そして、無医村地区が多いことに加えて、高齢者の割合も高い島根県では、巡回診療の運行などと並行して、総合医を育むための研修医向けプログラムの充実も図っています。
しかし、なかなか行政だけ、一部の病院だけの力では運用が困難な場合も少なくありません。
仮にいま、離島やへき地といった無医地区から離れた場所で暮らしていたとしても、人口減少が加速している日本において、そこでどのような医療が行われているのかを知ることは、将来の日本の医療を作っていくことに繋がっていくのではないでしょうか。
厚生労働省
平成26年度無医地区等調査及び無歯科医地区等調査の結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000115612.html
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