日本の医療は世界でもトップクラスと言っていいほど、高度な技術を持ち合わせていることに加えて、国民皆保険の制度によって皆、平等な医療を受けられるとされています。
しかしながら、現実的には地域による格差が見られ、特に、離島やへき地では医療過疎の地域も数多く存在しています。少子高齢化の波によって、この傾向はさらに深まると予想され、これまで以上に医療偏在をどのようになくしていくのかという課題に取り組まなければいけません。
そこで、離島医療情報ネットワークでは、離島やへき地における医療をテーマにし、すでに活動されていらっしゃる学会や研究会をまとめてみました。
●へき地・離島救急医療学会(旧 へき地・離島救急医療研究会)
離島医療における学会に関しては、日本の中心的な役割を担っていると言っても過言ではありません。厚生労働省の研究事業に参加されたドクターの呼びかけがきっかけで設立されたへき地・離島救急医療学会は、年に一回、全国各地で学術集会を開催しています。
現在は、長崎大学病院 地域医療支援センターに事務局をおき、医師不足とへき地・離島での救急医療に焦点をあてた活動をされています。
●長崎県地域医療研究会
長崎県における各地域が一体となって病院経営をするために設立された長崎県病院企業団のバックアップを受けたのが、長崎県地域医療研究会です。
医師だけではなく、看護師や医療従事者を交えて地域医療での課題を共有する場は、これまで40回以上設けられており、過去には「『住民医療』の歩みとこれから〜医療再編後の課題と展望〜」「災害とジオパーク」などをテーマとした講演が行われました。
https://www.nagasaki-hosp-agency.or.jp/ncmsg/ncmsg.html
●長崎県離島医療医師の会
こちらは、地域住民のニーズにあった医療を提供するために、へき地・離島医療のシステムの見直しやオンラインの活用、そして、自治医科大学の九州出身のドクターによって作られた九州地域医学会への参加などが行われています。また、研究費の助成も行なうなど、精力的な活動をされています。
中でも、長崎県離島医療医師の会が手がける、もくせいの会では、長崎県のへき地や離島で活躍しているドクターがおよそ170名所属し、地域医療での活動を支えています。
https://www.mokuseikai.org/activities.htm
●離島医療塾
こちらには私も毎年7月の離島談義に参加させて頂いております。最初は現下甑島の手打診療所所長の齋藤 学先生にお誘い頂き、3年連続で伺っています。
鹿児島の離島医療をされている先生方がメインになりますが、日本全国から離島やへき地医療に関わる医療関係者が集まる場になっております。
Drコトーこと瀬戸上健二郎先生も毎年お越しになられるので、私としてはお目にかかれることをすごく楽しみにしております。
発表内容も非常に興味深いものが多く、行くたびに勉強になっていますし、多くの素晴らしい医師やコメディカルの皆さまと知り合う機会になっております。
このように見てみると、やはり、たくさんの離島地域を抱えている長崎県や鹿児島県は、日本のへき地・離島医療において牽引的な立場を取っていることがお分りいただけるかと思います。
離島情報医療ネットワークでは、これからもへき地や離島に焦点をあてた学会や研究会があれば、どんどん紹介させていただこうと思います。皆さまからの情報提供もお待ちしております。
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