わたしたちが普段使っている電力は、発電所から送電されてきたものがほとんどです。普段、何気なく使っているものではありますが、それを安定的に使えるようにし、維持するにはたくさんの知恵や労力が詰まっているのです。
これが、本土ではなく島であればどうでしょうか。
沖縄本島のように大きな島であれば、島内に火力発電所などを設けて需要と供給のバランスを整え、電力をコントロールしながら各家庭や施設などに送り届けることができます。
安定供給という面からみて、この需要と供給のバランスというのがとても大事になってきます。もし、崩れてしまうと電圧の乱れや停電といった事態を引き起こしかねないからです。
●自然エネルギーを利用する隠岐諸島
島根県の北側に位置する隠岐諸島では、島後、西ノ島、中ノ島、知夫里島の4島に住民が住んでいるほか、小さな島も数えると180ほどにもなります。そして、本土からの送電がないこれらの島々では、ディーゼル発電所や自然の力を利用した風力発電所などが住民の生活を支えています。
風力発電や太陽光発電といった自然エネルギーを利用した発電は、地球環境の考慮という面からみても歓迎すべきものですが一方、発電量の変化が大きく、安定供給の面では不安を抱えています。
●隠岐ハイブリッドプロジェクト
このような難点を解決させるため隠岐諸島では、環境省採択の実証事業「平成26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業」に取り組んでいます。
具体的には、変動する発電量を安定させるために性質の異なったリチウムイオン電池とNAS電池、2種類の蓄電池によって調整するシステムをつくり実証実験を行うといったプロジェクトになります。
これらの蓄電池を用いることで、環境に優しい自然エネルギーの割合を増やしてディーゼル発電の負担を減らすことができますし、同じような問題を抱えている島への応用も期待することができます。
島の生活や医療を支える上でも大切な要となってくる電力。だからこそ、不安なく、安定的に供給できるような環境を整えることは最優先課題ですよね。
このプロジェクトをもとに、他の島へも幅広く応用されていくことを期待しています。
<参考>
隠岐ハイブリッドプロジェクト
http://www.energia.co.jp/okihybrid/project/index.html
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