現在、日本に約32万人いる人工透析患者は、約2日に一度の透析を受けなければ、生命維持ができません。
人工透析患者になると、離島などへの旅行がほぼ不可能なように感じるのですが、実際のところどうなのでしょうか?
調べてみたところ、株式会社旅行透析さんのサイトにたどり着きました。
こちらのサイトでは、離島含め、全国の旅行先の臨時透析患者受け入れ施設を掲載してくれています。
・株式会社旅行透析 HP http://www.ryokoutouseki.jp/
代表の池間さんも、人工透析患者。働く社員も、全員が人工透析患者だそうです。
離島に特化したページを作っているのは、「“この離島なら、1泊2日以上の中長期の旅行が透析患者でもできるんだ”という夢を持っていただきたいから」という池間さんの思いからです。
このような人工透析経験者による人工透析患者に寄り添ったサイトがあると、旅行好きの人工透析患者の方にとってはとてもありがたいですね。
離島への旅行、1泊2日以上の旅行も不可能ではないのだと思うと、選択肢が広がります。
旅行だけでなく「故郷に帰省したい」と願っている方や、仕事で出張がある方にとっても同様に助けになるかと思います。
私事ですが、父が5年前より腎不全により人工透析を受けております。
父が人工透析を受けるようになってつくづく感じるのが、施設(病院)選びの大切さ。
父が選んだ病院は、一番近くの施設。近いからという理由だけで、頑固者の父は母の意見を聞かず決めました。その病院は、残念ながら先生も看護師さんも、母が父の不調を訴えても、親身になって対応してくれませんでした。
そして、先日父は倒れ、総合病院に救急搬送されました。
搬送先の病院では、素早い処置により一命をとりとめることができました。その後も親身になって対応してくれています。
「最初から透析をする病院をきちんと選んでおけばこんなひどいことにならなかったのでは・・・」
家族としてはそういう考えがよぎります。
実際、池間さんにお話をうかがってみると、こんなことをおっしゃっていました。
「腎不全は不治の病。人工透析は生命維持であり完治や治癒を目指す医療ではないので、日々通院する透析施設選びは大事です。」
病院選びは、命を左右することもあります。
人工透析を受けられている方で、離島への旅行を考えられている方は、家族も自分も納得できるようじっくり病院・施設選びを行っていただきたいと思います。
ちなみに、株式会社旅行透析の池間さんが住まれているのは、沖縄県の離島・宮古島。
宮古島には旅行透析受け入れが5ヶ所あり、沖縄県自体は透析病院がなんと70箇所あります。
沖縄県は透析患者の割合が全国5位なので、施設もそれだけ多いということですね。
人工透析を受けている方の離島の旅行先としては最適かもしれません。
(ライター・黄本恵子)
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