へき地医療

もし、近所にクリニックも病院もなかったなら?

日本全国津々浦々、どの土地にも良さがあるものです。ましてや、故郷だったり、長年住み慣れた土地であれば尚更、離れがたいものですよね。

それは、生活の中で何かが不足しているからといって容易に住み替えできるようなものではありませんが、確かに、そこでは不便だと感じる部分も少なくないでしょう。

いわゆる都市圏と言われる地域では、医療に困ることがありません。例えば、慢性的な疾患による定期的な受診はもちろんですが、休日や夜間の急変に対しても対応できるような体制が整っているわけです。

しかし、離島や山間部の奥深い地域、過疎化が進んでいる地域などは人口が少ないが故に、医療をはじめとした様々な体制が整備されていない地区も存在しています。

●医師が見当たらない無医地区

ところで、みなさんは無医地区というものをご存知でしょうか?

読んで字のごとく医師がいない地区を表す言葉なのですが、厚生労働省では次のように定義しています。

無医地区

医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、おおむね半径4kmの区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区

つまり、近くに定期的に利用できる医療機関がなく、そこに行く定期的な交通手段もないということです。

 

 

想像してみてください、医療が近くにない生活を。

軽い風邪のように、少し安静にしていれば良くなるという類のものであればいいのですが、特に困るのが、直接命に関わる救急医療です。

また、妊娠中や子供の急なトラブルも、一分一秒を争う場面が多いことでしょう。

適切な治療を、迅速に受け入れいれることができれば。と後から後悔することはいつでもできますが、そういう事態をできる限り減らせるよう、そして現代の医療からこぼれ落ちた部分を拾いあげるような医療制度の構築はこれから、ますます必要となります。

それは、単に人口の少ない土地に採算の取れない病院を作ることが必要なわけではありません。医師による定期的な巡回診療や総合的な視点での診療、近接する病院との密な連携など地域の実情に合ったものを選択していくほかありません。

こういう事実を知ると自分には一体、何ができるのだろう?と思われると思います。一番大切なことは知ること、そして眼を向けること。無関心でいないということなのですから。

<参考>

厚生労働省 無医地区等調査

http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/76-16.html

 

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