ドクターインタビュー

名瀬徳洲会病院 松浦院長先生インタビュー

徳洲会病院奄美ブロック研修医勉強会に取材参加してまいりました!

この勉強会は全国から集まった研修医の先生方の奄美ブロックの徳洲会病院での研修を通じて学んだことや症例検討について発表する場です。

その内容については記事には書けませんが、その勉強会の前に名瀬徳洲会病院院長の松浦甲彰先生に離島医療についてのお話を頂戴することが出来ました。

ぜひ、ご覧ください。

<松浦院長先生からのお話>

この病院は奄美大島という比較的大きな離島の病院ですが、一昔前からはかなり進化しています。

医療技術としては徳洲会病院の中でも先端を走る都市部の病院とそん色のない医療を提供できていると思っています。インターネットを活用した情報網も充実していますし、遠隔診療も進んでいます。

また、緊急を要する患者さんに対してもドクターヘリがあるので、天候の問題があるにせよ、専門の医療機関に送ることがスムーズになりました。

ただ、以前は緊急性の高い患者さんの命を救うことを優先に送ることだけを考えていた時期もありますが、今では島外治療の場合、家族の泊まるところがあるのか、また、家族の交通費や滞在費のことを考えなければいけないので、出来るだけ島内で治療できるように体制を整えてきたということもあります。

そういう意味ではCTなどの検査機器の進化、遠隔画像診断の精度の高さなどは大変助けになっていると思います。

今日はこれから研修医のための症例勉強会ですが、徳洲会では日本全国からこの鹿児島の離島エリアに1~2か月の研修を受け入れています。もちろん沖縄エリアも同じです。

若いドクターが離島に来て研修することは非常に意味があると思っています。都会の病院では人も多い、医療機器もふんだんにあるような状態ですが、離島はそのようなリソースが揃っていないので自分で考え、行動しないといけない場面が増えてきます。

それによって、自分自身を磨くことになるので成長のスピードが加速します。特に自分が決定して患者さんの病状が良くなったりするような成功体験は大きな自信に結び付きます。また、多くの困難な事例も経験することになります。それも都市部では経験できないことなんだと思います。

ただ、残念なのは1回研修に来たら、2回、3回と来る方が少ないということです。やはり離島やへき地医療に対して思いを持っていないとなかなか複数回来れないというのもあるのだと思います。あえてリソースのないリスクの高いところに身を置いて自分を磨いていこうという人が希少価値になってきたとも言えます。

この辺は我々も若いドクターが来やすいように、仕事面も生活面も環境を整えていく努力を惜しんではいけないとも思っております。

離島医療医師のやりがいは「患者さんを治療するのは自分しかいない」、「自分の技術がその島の医療技術になるので自分を成長させ、伸ばしていくしかない」という部分だと思います。

ただ、医療事故を出来るだけ減らすためにも近隣の島や医師同士がサポートし合うことはもちろんですし、徳洲会の場合、グループ全体で離島医療を支えていくという体制になっています。例えば、この鹿児島の離島では徳之島徳洲会病院が産婦人科医療を支えています。

離島医療は組織として、システムとして動いていくことが重要で、それが医療の継続性に結び付くことを知っておいて欲しいと思います。もちろん、患者さん側としては診察する医師がころころと変わるのは悪評に結び付くこともあるのですが、医師を守り、島の医療を守るためには必要な事と考えています。

今日の勉強会の最後には与論徳洲会病院の院長である久志先生にご講演頂きますが、先生は22年間、与論島の医療を支えてこられました。そのお話も興味深いと思いますので、ぜひお聴き頂ければと思います。

<まとめ>

松浦院長先生のお話を伺っていて、特に印象に残ったのは「医師のやりがい」についてのコメントです。離島医療において、医師の果たす役割は大きく、医師として成長し、やりがいを持って仕事するには最適な環境だということがビンビン伝わってきました。

「医師としての器や技量、人間性の成長を求めるなら離島医療でしっかり学ぶのがいいと思うよ~」という熱いメッセージを頂戴したように思います。

勉強会、懇親会場を通じて、温かい言葉と笑みを絶やさない松浦院長でしたが、同時に熱い思いを持った一人の医師としても魅力的な方だなと感じました。

さて、松浦先生のコメントにもありました久志先生のご講演は次回記事にてご紹介出来ればと思います。乞うご期待!!

関連サイト

松浦甲彰 院長先生

https://www.nazetokushukai.jp/about/greeting.php

名瀬徳洲会病院

https://www.nazetokushukai.jp/

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