兵庫県にある淡路島。淡路島も離島のひとつですが、比較的栄えているイメージをお持ちの方は多いのでは?
確かに、淡路島は離島の中では人口No.1(約15万人)を誇っており、国土交通省によって定められた『離島振興法(離島の後進性と基礎条件を改善し産業振興対策を行うための法律)』の地域にも入っていません。(※ただし一部地域を除く。)
そんな淡路島ですが、現地の友人によると、現状はやはり本土と比べてかなり厳しい面が多いようです。特に、出産の面においては、驚くべき現状を伺いました。
■産婦人科が少ない!
淡路島は、淡路市・洲本市・南あわじ市の3つの市があります。このうち、淡路市では、平成26年にやっと出産できる病院が1つできて、それまではひとつも無かったそうです。
なので、淡路市の人たちは、片道1時間ほどかけて行くか、神戸や明石まで通っていたのだとか。
ちなみに、洲本市では出産できる病院は3つ、南あわじ市では現在はなし(唯一あった産婦人科が分娩の扱いを平成27年で終了)。
つまり、島全部合わせて出産できる病院は、合計4つしかないのです。
不妊治療ができる病院においては、洲本市で1つ、南あわじ市で1つで、島合計2つしかありません。
■本土に行くのにお金がかかる!
昔に比べて大分安くなったものの、本土へ行くのにやはりお金と時間がかかります。
大阪までは高速バスで、片道2,000円以上。自家用車の場合、明石海峡大橋を渡るのに、今はETC使ったら900円ですが、通常料金なら片道2,370円かかります。
妊娠すると、定期的に病院へ通うことが必要になりますが、毎回これだけのお金がかかるとなると、かなり負担になりますよね。
■南あわじ市の『沼島』は離島振興の地域に
冒頭でも申し上げたとおり、淡路島は基本的に離島振興法の地域には入っていません。ただし、南あわじ市の『沼島(ぬしま)』は、離島振興法の対象地域となっています。
『沼島』への交通手段は、沼島汽船・土生港からの定期船に乗って10分ほどになります。
沼島内には出産できる病院がないので、妊婦さんは船に乗って病院まで通わなければいけないということになります。
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妊娠・出産はなにが起こるか分かりません。淡路島のような比較的大きく利便性の高い離島でも、子どもが産める病院がこんなに少ないとなると、離島に住む妊婦さんたちは都市部に住む人たちに比べてかなりの不安を抱えて過ごしているのではないでしょうか。
今、“産婦人科医離れ”が進んでいると言われていますが、離島となるとなおさらなのだと思います。
離島に産婦人科が少ないということは、離島に住む人たちだけの問題ではありません。妊娠中、静かで穏やかな離島地域へ旅行を計画される方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合は万が一のことを考え、海外旅行と同じく事前の下調べ等しっかり行う必要があるということです。離島への旅は、「同じ日本だからなんとかなるだろう」と思って悠長に構えていられないということですね。
(ライター・黄本恵子)
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