へき地医療

実際に羅臼町(北海道知床半島)に行ってみました!

編集長の池上です。

先日、お電話で羅臼町の鈴木副町長に取材をさせて頂きました。

その時の記事はこちらになります↓

羅臼町鈴木副町長インタビュー(知床らうす国民健康保険診療所 常勤医師募集!!)

羅臼町鈴木副町長インタビュー(知床らうす国民健康保険診療所 常勤医師募集!!)

電話口で羅臼の魅力について熱く語る副町長にほだされて、まだ見たことのない羅臼町に行こうと思いたち、実際に2泊3日で行ってまいりました。

羅臼町での滞在中は羅臼町の魅力を十二分に堪能させて頂きましたが、それは別のページでご紹介していきたいと思います。

まずは羅臼に到着してすぐに羅臼町の魅力と医療について、羅臼町湊屋町長と鈴木副町長の2トップにお話を伺いましたので、その内容をお送りいたします。

   羅臼町湊屋町長と鈴木副町長です

羅臼の産業について

羅臼は漁業中心の街ですが、最近では観光に関していうと外国人が非常に増えてきています。北海道全体ではアジア系が多いのですが、特に、羅臼では欧米やヨーロッパからの観光客が多いですね。

そういった方々の目的は、流氷を見ることなので冬にいらっしゃいます。

また、イギリスの方はバードウオッチングも楽しみにされているようで、日本で見たい鳥のベスト3がタンチョウ、エゾシマフクロウ、そして流氷に乗ったオオワシだそうですが、ここでは3つとも同じ時期に見ることができます。

さらに、東京にある旅行会社がゲストハウスを建設し、7月から外国人を中心に利用することができるようになりました。併設されたレストランは、町民にも開放されます。ここでは、ある程度、英語ができるスタッフが必要になるので、そこで雇用も生まれることと思います。

他地域との交流について

ここは地理的には他地域と離れていますが、割と国際交流は盛んです。

特に、ロシアとの交流については国同士というよりもお隣同士としてのお付き合いをしていて、年に何回かは町民が北方領土の国後島や色丹島などを訪れる機会もあります。

反対に、6月に羅臼で開催されるお祭りには、ロシアから住民が訪問します。一緒に踊ったり飲んだりという機会もありますね。そういった交流についてはビザなしで行われ、こういった交流がかれこれ26年くらい続いています。

医療について

医療に関していうと、中核の医療と地域の医療が連携し、釧路の病院が核となって中標津の町立病院がサポートする形をとっています。日本はロシアよりも医療設備などが整っていますので、ロシアから見学に来られる医師もいらっしゃいます。

ここは一次医療ではありますが、しっかりと判断できるだけの用意もありますし、判断した後のバックアップ体制も取れているので医師の方も安心して来ることができるのではないでしょうか。

高規格救急車は3台あり、ドクターヘリも利用することができますので、疾患によって釧路の市立病院へ運ぶといったこともあります。

そうはいっても、こういう場所ですので、ある程度の病気になった場合は全快することが難しいと町民も認識しています。そのため、病気にならないためにできること、予防について医師から教えていただく機会も設けるようにしています。

こちらの地域では過去に一度、医療体制が崩壊していますので、その大変さを町民も身にしみてわかっています。そのため、病院ではなくて診療所を建てる時は大変苦労しました。

しかし、羅臼町としては一次医療に徹し、自分たちの街でできることについて丁寧に町民へお知らせしましたし、その代わりに出来ることはやりますよいう話もしました。結果的には、町民の理解も得られ、寄付もいただきながら建設して良かったことはたくさんありますね。

今となっては、診療所の方がよっぽど充実していますし、いまの体制や設備に対しての町民からの不満は殆どありません。

透析については、昔から患者さんはいたのですが、皆さん中標津や釧路まで1時間半かけて週に何回か通っていました。それを繰り返すような大変な思いはさせたくない、地元の透析患者さんは地元で治療できるようにということで、ベッドを減らしてでも、透析の設備を揃えることにしました。

羅臼町へのアクセスとフォロー体制について

交通アクセスとしては、羽田空港から中標津空港までが1時間40分、そして空港からここまでが1時間ということで合計3時間あれば来ることができます。出張医の先生も、東京から飛行機を利用して週末に来ていただいているケースもあります。

歴代、ここに来ていただいた医師の方はそれぞれ、自分の趣味を持たれている方が多いように感じます。

走ることが趣味という先生は毎朝、走っていましたし、山登りが好きという先生であれば、周りにはふんだんに登れる山があります。

また、釣りが好きな場合は町民が連れていってくれるなど、いかに先生が疲弊しないようにバックアップできるのかということを考えながらサポートする体制を整えています。

お電話でもお話しましたが、ぜひ羅臼町に来て頂ける医師の方のご紹介をこの記事を読まれた方にも切にお願いしたいところです。

<まとめ>

羅臼は皆さんもご存知の通り、北海道の東、道東地区の知床半島にあります。そのほとんどが世界自然遺産として登録されており、日本だけではなく世界中から観光客が集まる場所でもあります。

豊かな自然、温かい気持ちを持つ人々、ここにしかない観光資源と様々な特長や良い点を持つこの街の魅力は行ってみて、実感するものだなと思いました。

羅臼町も他の地域と多分に漏れず、へき地医療の厳しい現実があります。医療関係者が一人でも多く街に住んでほしいというのは町長や副町長だけでなく、町の皆さんの願いでもあります。

町としては半年でも1年でも、仮に3カ月であっても、気持ちのある方であれば大歓迎だそうです。

羅臼町に住んで働いてみたいなと思う医療人の皆さま、ぜひ、羅臼町にアクセスしてください。もちろん、私にご連絡頂いてもOKです。喜んでつながせて頂きます。

<参考サイト>

羅臼町ホームページ

http://www.rausu-town.jp

 

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